総領事館設立35周年鹿児島県日中友好協会会長の海江田順三郎先生よりメッセージ

JAPAN-CHINA FRIENDSHIP ASSOCIATION OF KAGOSHIMA CITY

駐福岡中国総領事館の創立三十五周年を心からお喜び申し上げ、これまで日中関係改善に尽くされたご努力に対し深甚の謝意を表する次第であります。

私の学生時代に長老の教授が「十年一昔と言うけれど、必ずしも大きな変化は起こらない。但し三十年が経過すると流石に世の中は変わるものだ」と述懐されていました。因みに三十五年前の日中関係を年表でひもとくと、中国青年代表団や、中国青年の船が来日しています。青年代表団の胡錦濤団長は後年中国の主席に就任され、団員の方々も現在それぞれの要職で活躍されていることと存じます。

さて本年は新型コロナウイルスが世界的に感染する事態になりました。中国で感染が報じられた時点で、日中友好協会本部は全国の友好協会に義援金の募金を呼びかけました。鹿児島県日中協会と鹿児島市日中友好協会は協同して、医療用品の収集や募金に当たりました。二月の初め鹿児島市立伊敷中学校より生徒たちが中国への義援金を集めたので受け取りに来て欲しいと連絡があり、私は鹿児島市日中友好協会の鎌田会長と中学校へ伺いました。生徒自治会の役員の説明で、学校側の指示ではなく、生徒会が独自に「中国を救う大作戦」のスローガンを掲げ、中学校の教職員や生徒からの寄金だけではなく、学校周辺の家庭を手分けして回訪し集めた義援金の袋数個を渡されました。私たちは隣国の災難を我が事と同憂する純粋さと実行力に感動しました。

東京の日中友好協会本部は、今後の事業方針として青少年と女性の日中間交流をベースに置くと発表しています。日中関係の将来は正に若者の双肩に係っているとの思いを強くしています。私共成人としては二千年にわたる日中関係の歴史を正しく若者に学ばせ子々孫々に至る日中友好の促進と連帯の強化を目指して、尚一層の努力を誓い粗辞になりましたが祝辞に代えさせていただきます。