中国人民対外友好協会、中国日本友好協会、日本中国友好協会が共催する第17回中日友好交流会議が7日、北京市内の長富宮飯店で開かれ、両国の友好協会および関連団体の代表者ら約250人が出席しました。
以下は鎌田敬氏が北京で開かれた第17回中日友好交流会議の際に、発表したスピーチです。
『金の橋を渡って』
鹿児島県日中友好協会理事長 鎌田 敬
本日は発表の機会をいただき誠に有難うございます。私の日中友好協会との関わりを述べたいと思います。
私は中国の中日友好協会の副会長をされている程永華さんと同じ大学で2年間を共に過ごしました。972年に日中国交回復をし、1978年に平和友好条約を締結します、その間の激動の6年間の1975年に、国交回復からの初めての国費留学生6名が母校の創価大学に留学されてきました。
その時、創立者の池田先生が「中国からの留学生が来ることになった。君たちは今日から、標準語を話すようにして欲しい。大切な中国の留学生だ、正しい日本語を覚えて貰わないといけない。方言はやめて標準語を話すようにお願いしたい。」と言われました。
私の話す日本語の標準語が大変流暢なのは、中国の留学生のおかげであります。その程永華さんが2010年に大使になられたことを聞き、私は福岡の中国総領事館に連絡を取り、「私は今度大使になられた程永華さんと同じ大学の者ですが、何か私にお手伝い出来ることはないでしょうか。」と言いましたら、「一度お会いしましょう」と李天然総領事が言って下さり。お会いしました、「あなたは何が出来ますか。」と言われましたので、「私は行政書士というビザの専門家で、九州の会長をしております。各県に中国の方のビザの相談窓口を作っては如何でしょうか。」と提案し、李天然総領事と九州各県を回り相談窓口を作りました。
その時に「あなたはなぜ日中友好協会に入らないのですか。」と言われ、「そうだ日中友好協会に入ろう」と思い入会し、現在鹿児島市の会長と県の副会長理事長を致しております。
さて、コロナの始まった2020年の1月に会員の趙君より、「中国でN95という手術用のマスクが不足していて、手術が思うように出来ない。このマスクを手に入れて総領事館を通じて中国に送りたい。」という連絡がありました。早速趙君と私と海江田会長の3名で市内の病院を回り、協力をお願いしましたが、特殊なマスクの為予備がなく、どこも断られました。
海江田会長が理事をしている南風病院に行きお願いをすると、承諾して頂き1万枚のマスクの贈呈をして頂くことになりました。N95のマスクを集めていることを聞いた留学生達が、当時は一般のマスクも不足している状況でしたので、留学生達がマスクを母国に送ろうという運動をはじめ、鹿児島大学と鹿児島国際大学の学生達が力を合わせて1万枚のマスクを集めました。集めたマスクはいずれも福岡の総領事館を通じて中国へと送られました。南風病院での手術用マスクの贈呈式と留学生が一般のマスクを集めた活動の様子は、地元の南日本新聞にそれぞれ掲載され、大変な反響がありました。
数日後、私の携帯に電話がありました、市内の伊敷中学の生徒会長の女生徒でした。
「新聞を読みました。私たち伊敷中学の生徒会は中国の支援活動を生徒会活動にしたいと思います。是非話を聞いて下さい。」と言われ、伊敷中学を訪れ生徒会長、担任の先生、教頭先生と話をしました。生徒会長から「中国にマスクを送ろうと思いましたが、今はどこにもマスクを売っていません。ですから募金をして中国に送ろうと思います。計画書を作りましたから見て下さい。」と言って手渡された計画書には、タイトルになんと「中国 救うぞ 大作戦!!」と書かれていました。計画内容もしっかりしたものでした。私は「君たち凄い。本当に凄い是非募金活動をして下さい。集めたお金は私が責任を持って総領事館に届けます。」と約束しました。
そして私は南日本新聞に連絡を取り、中学生達の募金活動を是非取材してくれるように頼みました。数日後に新聞に、中学生達が地元のスーパーの前で募金活動をしている記事が写真と共に掲載されました。
募金活動をしていると買い物に来たお母さん達が、「私も伊敷中学の卒業生よ、あなた達が立派なことをしてくれて本当に嬉しい。」と言って寄付をしてくれたそうです。学校から連絡があり、集まった募金を受け取りに行きました。殆どが100円玉や50円玉で10万円ほどのお金が、大きな袋に詰められていました。
その袋と「山川異域 風月同天」と書かれた中学生達が作った色紙がありました。「山川異域 風月同天」という言葉は、中国へのメッセージとして、中学生達がインターネットで調べて書いたそうです。それらを携えて総領事館に届け、感謝状を頂き中学に届けました。校長先生、生徒達がその感謝状に大変喜んで頂きました。
コロナが激しくなり、外出も思うように出来なくなり、総領事館より、伊敷中学にお礼に行きたいのだがコロナで行けないのでオンラインで交流をしたい。との連絡があり、夏休みに伊敷中学と総領事館とのオンライン交流を致しました。
そしてコロナの開けた昨年に律桂軍総領事は鹿児島を訪れ、伊敷中学を訪問し校長先生に、募金の御礼を丁寧に言われました。「中国は伊敷中学がしてくれた募金のことは決して忘れません。是非皆さん中国に来てください。」と言われ、校長先生は大変喜んでおりました。
また、当協会は、留学生との交流をしており、県内の中国語を教えている高校の生徒に留学生が中国語を教える「中文学習会」を行っております。
高校生達は学校の教科書、中国語検定試験の教科書を持参して留学生から1対1で中国語を教えて貰っています。高校生は驚くくらいに熱心で、3時間休みもなく教えて貰っています。
総領事館より高校生との交流をしたいとの話があり、学習会に参加していた県立鹿児島東高校に話をすると、交流会をしましょうということになり、東高校の体育館で全校生徒と総領事館の副総領事、領事達とで交流会を開催しました。
領事から「私は日本のアニメに興味を持ち、日本語を学び領事になりました。」という話があり、高校生達とスラムダンクやワンピースのアニメの話をして盛り上がっておりました。
またコロナ禍の最中に留学生から、コロナ禍でアルバイトが激減し生活が大変ですと言われ、私は政府機関の職業安定所に出かけ相談をしました。職業安定所には現在外国人担当という部署が出来ており、そこで留学生にアルバイトを紹介できるそうで、バイト先の資料を頂ました。その資料を留学生に配り、職業安定所に相談に行くように連絡しました。同様な問題は他の県でも起こっているのであろうと思い。総領事館に説明文と資料を送りましたら、律総領事より大変丁寧なお礼のお手紙を頂きました。
かように、鹿児島の日中友好協会は、総領事館と連携をした三位一体の活動をしております。つまり、総領事館と日中友好協会、そして留学生、または中学校、または高校、または自治体というように三位一体の活動を行い、特に若い人を育てることを目的としております。
若い人を育てるための総領事館と連携をした活動が地域に学校に有益であると思っております。私は中国と日本との間には、先人達が築いた大きな金の橋が架かっていると思います。
本日私は、この金の橋を渡って此処北京に来ております。先人に習いこの金の橋を広げ、沢山の人が往来をするように尽力して参ります。